外貨両替 fx 初心者 最後の無頼派 伊集院静を見つめる 海峡シリーズ 忍者ブログ
引き返せないことを知るのが大人だろうか。 人生にこまやかな慈愛の眼を注ぎながら心に染み入る筆で描く『哀切の人』。 直木賞作家・伊集院静のファンのために小説・エッセイなど著書を紹介しています。
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海峡―海峡幼年篇 (新潮文庫)海峡―海峡幼年篇 (新潮文庫)
伊集院 静
新潮社 刊
発売日 2002-06
オススメ度:★★★★




特別ではないが、決して平坦ではない少年の成長物語 2009-06-07
シリーズ全編読みました。一言で言えば、ある少年の成長物語です。下村湖人の次郎物語、井上靖のしろばんばと共通するものがあります。一人の少年が見たこと、感じたこと、喜怒哀楽、どうしても理解できないこと、したくないこと…。いろんな経験を経て、自分の未来を見据える。大きなクライマックスや、大どんでん返しはありません。ですがそれ以上の物語がここにあります。

なんだかとても好きになりました 2007-09-09
伊集院静さんの自伝的小説、三部作です。

大まかに言えば、一部が小学生。二部が中学生。三部が大学生となっています。

お話は伊集院さんの出身地でもある山口県防府市の小さな湾が舞台となっています。

時代はまだ戦争の傷跡が色濃く残る時代。

主人公の高木英雄は、朝鮮から海を渡り日本にやって来て一代で事業を大きくした父を持つ一家の長男として生まれる。

家には常に50人程の人々が住み、皆、父の斉二郎を慕い盛り立て英雄にも優しくしてくれる。

父はほとんど家にはいず、厳しく大きな人。

一方母は誰にでも分け隔て無く優しく、英雄にも優しく時には凛とした厳しさを持つ。

そんな英雄の周りには、朝鮮からやってきて祖国に帰って行く人達や、政府の移民政策で厳しい土地に行き体を壊して帰ってきた人達など、様々な思いや体験をした人がいる。

そして原爆の後遺症で死んでいく人など、死も常に付きまとう。

そんな中成長してゆく英雄は、やがて皆が跡継ぎとして期待されることに疑問を感じ始める・・・


と、めちゃくちゃ大まかなあらすじです。

話の中には性に対する話や恋の話もあったり、同級生との別れや死があったり、とてもヘビーな人生だけど、その時々の人々のふれあいが心情豊かに描かれていて読みながら涙したり笑ったりしてしまいました。


私が好きな場面は第二部「春雷」の中の場面。

中学を卒業する前に英雄とその仲間達と、彼らのマドンナ的存在である東京からきた積極的な少女・美智子と温泉へ行った時に、男子皆で告白し一人ずつキスしてもらうところです。

美智子はなんだか皆のお姉さんみたいな存在だな〜と思いました。

最初はハイカラでなんちゅー女や・・・と思ったんですけど(^^;)

美智子は中学を卒業すると東京へ帰ってしまうし、英雄は高校へ行くことになるけど、外へ働きに出てゆく仲間もいたりして、たぶんこんなに皆で楽しく過ごすのは最後になるだろうというところにも、寂しいのだけど楽しい日々があって、何ともいえない青春の香りがたまりませんでした。

今の時代では味わえないだろう別れが、とっても切なく感じました。


その後もいろんな出会いと別れがあり、英雄も将来の事を考えながら成長してゆくわけですが、そうしてどんな人生を送っていくのか、もしかしたらとこかで野たれ死んでしまうのかもしれない、そんな英雄の生き方に共感した物語でした。


伊集院さんの小説を読んだのは始めてです。

本屋で平積みしていたので・・・。

私の伊集院さんの印象といえば、夏目雅子さんの旦那、篠ひろ子さんの旦那ってぐらいでした(^_^;)

英雄の成長が楽しみ♪ 2005-05-06
幼年時代の英雄の心の動きや、それを取り巻く人達の心情などがとてもよく描かれている。英雄は日常生活の中の出会いや別れを通して、人間の喜びや悲しみをつかみとっていく。そして、だんだんと精神的に成長していく。その過程がとても面白い。これから英雄がどういう人生を歩んでいくのか、目が離せない。


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岬へ 海峡・青春篇 (新潮文庫)岬へ 海峡・青春篇 (新潮文庫)
伊集院 静
新潮社 刊
発売日 2002-08
オススメ度:★★★★




面白かったです。 2009-08-31
著者の「海峡」幼年篇、「春雷」少年篇、そしてこの「岬へ」青春篇まで合わせて約1,800頁くらいありますが、とても読み応えがありました。

涙あり笑いありと読み進むほどにワクワクしてきます。

「岬へ」の後半くらいからは感慨深いものがあり、胸が熱くなり痛くもなり知らず知らずのうちに涙が溢れてしまいました。

伊集院氏の著書はまだまだ読み始めたばかりです。

まだあるたくさんの著書をこれから読み漁ってみたくなりました。




成長する主人公が頼もしくもある 2007-01-26
 読んでいて、泣くことが多かったです。そんなに、凝った文体ではないのですが、中年になると涙もろくなるのでしょう。


 後ろの方の、主人公が岬から日本海を観る場面は、主人公の感動が動的な感覚で、その風景描写から伝わってきます。こういうのを行間から立ち上る〜と言うのでしょう。


 しかし、長い分量です。


 三田誠広さんが、仰有ってた、文学として書いて面白い(含蓄の有る。書き手によって色々異なる)テーマ(違ってたらご容赦を…)として、家業を継ぐか、継がないで、親と決裂する、とかというテーマも含まれていて、それが主軸です。


 その上に何層にも別のテーマが描かれています。


 人間は、何の為に生きるのか…。身近な人の死をどう受け入れていくのか…。


 そして、後半では、人種差別的な主観で主人公を観ていた(意識はしないが、心の片隅に有った)その意識を越えて、主人公に恋心を打ち明ける幼なじみの女性。そういう、登場人物がどういう人なのかを始めからは明かさない、段々、おいおい読者に訴えてくる書き方です。


 主人公の青年は、硬派です。作者の伊集院さんの投影が含まれているとすれば、相当なハードボイルドな一面が有りますね。強い者にでも、果敢に立ち向かっていく喧嘩の場面などもあります。


 人間は、身近な人を次々に失っていく定めなのだ、という、その定めから来る喪失感や哀しみに、どう折り合いをつけていくのか…、ということが、おそらくこの本の一番のテーマではないか、と思います。

 





人生に対する教訓が・・・ 2005-05-06
人はどんなことがあっても逃げてはいけない。生きていかなければならない。英雄は人とのふれあいの中で、確実に何かをつかみ取り、新たな1歩を踏み出していく。決して忘れてはならないもの、それは英雄に対するさまざまな人の思いだ。その思いを無にすることなく歩んでほしい。人は人に支えられて生きているのだから。


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春雷春雷
伊集院 静
新潮社 刊
発売日 1999-10
オススメ度:★★★★




英雄の心の成長が面白い♪ 2005-05-07
主人公英雄の心の動きがていねいに描かれていて、好感が持てる。ちょっと背伸びしてみたい多感な時期の経験は何ものにも替え難い。少年はこうして大人になっていくのだとあらためて思った。


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