外貨両替 fx 初心者 最後の無頼派 伊集院静を見つめる 白い声〈上〉 (新潮文庫) |伊集院 静 忍者ブログ
引き返せないことを知るのが大人だろうか。 人生にこまやかな慈愛の眼を注ぎながら心に染み入る筆で描く『哀切の人』。 直木賞作家・伊集院静のファンのために小説・エッセイなど著書を紹介しています。
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白い声〈上〉 (新潮文庫)白い声〈上〉 (新潮文庫)
伊集院 静
新潮社 刊
発売日 2004-12
オススメ度:★★★




とりあえずの感想 2004-12-31
はじめに、私はキリスト教のことはよくわからないので、神の存在や巡礼のことなどには触れられないし、触れるつもりもありません。その上での感想です。
現実離れした話ではあります。
まず、野嶋という男。明治、大正、昭和初期くらいの小説家などで、こんな破滅型の人間はいただろうと思いますが、今の時代にはちょっとあり得ない気がします。あまりにも周りに迷惑をかけ、社会に不適合であり、自分で種をまいた不幸が全て自分(および周り)にふりかかってきます。
そして、玲奈という女性。私はクリスチャンではありませんが、そういうことを抜きにしてもまさに「聖女」のような人です。こんな人がいることが信じられません(笑)。どこまでも何があっても真っ直ぐに野嶋という男を信じ、支え、愛し通します。
野嶋の自業自得なダメぶりには辟易しますが、しかし、そういうふうにしか生きられなかったのだと思うとちょっと哀れに思えてきたり・・・。そして病気にまでなってしまうことには、つくづくどこまでも不運な男だと思い・・・。
そんな時、玲奈という女性の存在に読んでいて救われる思いがしました。野嶋は不運であったかもしれないが、玲奈を得たことは彼にとってこの上ない幸運であった。なんだかそんな感じの小説でした。


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